西島悠也|お祭りの起源
福岡に代表するお祭りで博多どんたくがある。
今日はその起源を紹介したい。
「博多どんたく」は、治承3年(1179年)に始まったと筑前国続風土記(貝原益軒著)に記されている。
「松ばやし」をその起源とする凡そ830年余の伝統行事である。
以来、祝いあう行事を洒落っ気の多い博多の町人が発展させたものである。
古い文献によれば今から400年前、筑前の領主となった小早川秀秋の居城(東区名島城)へ博多の町人が松囃子を仕立て年賀のお祝いに行ったと記されている。
その後、黒田藩の城下町となった「福岡」と博多町人の町「博多」との二つの町が270年間、博多松囃子を通じて交流している。
明治5年、新政府より下りてこられた県知事によって松囃子・山笠共中止させられたが、その後、明治12年に再開され「博多どんたく」と呼ばれるようになった。
これは、オランダ語の『Zondag(ゾンターク、休日の意)』がその語源と言われている。
戦時中、一時中断されたが、戦後の昭和21年5月、「松ばやし」と「どんたく」が8年ぶりに復活。肩衣を紙で作り、馬はハリボテを首から胸に下げ、三味線、太鼓などは戦災を免れたところから借り集めて、“博多どんたく”のおはやしを瓦礫の町に響かせながら練り歩いたことが、復興へ大きな勇気を与え、翌年22年には福岡商工会議所が中心となって、戦後初めてのどんたくを開催した。
その後、年に一度の無礼講の行事として年々盛んになっていった。
昭和37年、「どんたく」は、市民総参加の『福岡市民の祭り「博多どんたく港まつり」』となり、現在に至る。